第24回メールマガジン

一回~のメルマガ掲載 不定期ながらミニ情報やまだ楽しめるジャズの話などを皆様にお話しできたらと思っております。
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 2017年10月31日 JAZZCAT-RECORD メールマガジン 第24回

【今月の一冊】

   「ブルースの魂」ルロイ・ジョーンズ 著 
             上林澄雄 訳 音楽之友社 1965
   アメリカで1963年刊行され日本では1965年音楽之友社から発表された。手元の
奥付には1977年15刷と書かれており本書がジャズを中心とした音楽ファンに広く読まれた書籍であった事を物語っている。第一章~七章までは新世界と奴隷~アメリカ南部の奴隷~ワーク・ソング~黒人霊歌~ブルースの誕生~カントリー・ブルース~女性のブルースと言った内容で奴隷制の歴史とブルースの誕生を社会学的に考察、八章~十二章はシティ・ブルースとブギウギ~ジャズ対ブルース~スイング~シァウテイング・ブルース~モダン・ジャズと現代のジャズの五つの章は、ブルースを基盤としたジャズの発展過程を論述しており、最終章の”モダン・ジャズと現代のジャズ”ではビバップ~デキシー・リバイバル~プログレッシヴ・ジャズ~クール・ジャズ~ハード・バップ~前衛派ジャズ~サード・ストリーム・ミュージック~現在の展望とスタイルの変遷を論考。60年代前半はオーネット・コールマン、セシル・テーラー、ジョン・コルトレーンに代表されるフリー・ジャズ期はジャズ史の最終段階と同時に、様々な可能性に富んだ時期でもあり再読をお勧めしたい一冊である。尚本書は原題を"BLUES PEOPLE"で2011年平凡社ライブラリーで新たな訳で出版されている。
   
【あの頃のジャズが聴きたい】

 FRANKIE LAINE / JAZZ SPECTACULAR COLUMBIA(1955)
  フランキー・レインは1913年生まれ。ルイ・アームストロングのトランぺットに啓発されハイスクール時代に歌手を志し、一時期バンドシンガーとなったがなじめず、後にペリー・コモに認められ暫くして、マキュリー・レーベルに迎えられ「ザッツ・マイ・デザイア」のミリオン・ヒットを飛ばしスターになった。本作はバック・クレイトン・オール・スターズとの共演は、テディ・ウイルソンのレスターとビリーを擁したブランズウィック・レーベルのレコーディング・セッションを引き合いに出すまでもなく、オーケストラの一員としてのボーカルと言ったセッションに統一されており、バック・クレイトン・オーケストラが実にいいムードを出していて、コロンビア・レーベルに数あるジャムセッションを凌駕するオーケストラの素晴らしさがある。アービー・グリーン、バッド・ジョンソン、サー・チャールス・トンプソン、ゲストでJ.Jジョンソン=ケイ・ウィンィングは"TAKING A CHANCE ON LOVE","ROSES OF PICARDY"で、ヒルトン・ジェファーソンは"IF YOU WERE MINE"で何時もの様に素晴らしいソロを聞かせている。本作ほどスイング・ジャズ~ボーカルの楽しさを満喫出来るアルバムは他に見当たらない。

【今月の日本人演奏家】

伊藤 潮

  今年は小西徹没後20年。11月20日が命日である。小西徹は1933年生まれ。沢田駿吾門下の個性派ジャズ・ギタリスト。ブルージーなフィーリングはハード・バップ・イディオムでは独自のテイストを生み、北村英治グループなどでは、モダン・スイングの妙技を聞かせる。特にリズムに関して一際厳しい感覚を持っていて、自身のカルテット組んだ60年代初め、いち早く富樫雅彦をレギュラー・ドラマーに起用、又60年代中頃四大ドラム合戦で来日したエルビン・ジョーンズが帰国出来なくなった時、小西徹が身受人となって、下落合の自宅に招き毎日、近所の”銭湯”で一番風呂を浴びていたと言う。そして、週末にはエルビンを擁した小西徹トリオで”ピット・イン”で夢のセッションを実現させていた。こうしたセッション及び日常生活を含めた両者の関係はエルビンをして”ソウル・ブラザーズ”と言わしめたのだった。
 この小西徹に亡くなるまで支え続けたのがジャズ・ベーシスト伊藤潮である。
  1955年生まれ。大学時代より活動を始め、小西徹との出会いはジャズ・ベーシストとして師事した原田政長が、1976年11月銀座の十字屋楽器店で小西徹グループで演奏中、脳溢血で亡くなった。後日葬儀の場で小西徹を含む錚々たるミュージシャン達と一緒にプレイした。終了後、小西徹から自身のベーシストとしてオファーがあったのだった。以降亡くなるまで様々なセッションに係り小西徹の片腕として活動、カルテットのピアニストの人選は伊藤潮が行っており、塚原小太郎、鈴木和郎など多数、吉岡秀晃もカルテットのレギュラーとして80年代前後活動していた。小西徹のプレイともども最もスウイギーなカルテットであった。他に世良譲トリオ、藤家虹二グループでも活動。2000年には宮之上貴昭とのデュオが六本木”リラキシン”で実現、壮絶なデュオは大きな反響があり翌年ウッディ・クリーク・レーベルから"AUTUMN NOCTURNE" としてこのデュオが記録された。一方大井町の「東芝病院」での”イブニング・コンサート”は1994年から現在まで継続しており、氏のプロデュースに依るジャズ~クラッシックまでの幅広い領域をカーバーする活動を行っていて、ミュージック・セラピーの分野における研鑽も積み、病院内で使用するミュージック・セラピーのCDも多数手がけている。こうしたミュージック・セラピーのコンセプトをジャズを通して表現したのが2000年にウッディ・クリーク・レーベルからリリースした"GREEN SLEEVES / JAZZ THERAPEUTIC"である。ピアニストに嶋津健一、石井彰と言う若手の逸材を揃え広範囲に渡る音楽ファンから支持を得た伊藤潮の会心作である。今一枚の"WE ARE JAZZ KIDS / USHIO ITO" (LOBSTER 1987)は小西徹、塚原小太郎、岩本龍夫、ヨーコ・サイクスらが参加した全編オリジナルによる初リーダー作である。

   
【TRIBUTE TO SOMEONE】
 
 GRADY TATE (1932/1/14 - 2017/10/10)
     優れたドラマーであると同時に停滞気味のメール・ボーカル界に あって1968年の"WINDMILLS OF MY MIND"がミリオン・セラーとなり一躍脚光を浴びる事となる。歌うきっかけは、ペギー・リーのバックを担当していた時、ペギーが衣装替えに行く前に観客に向かって「グラディ・テイトが歌います」と言い残してステージを降りたというエピソードがある。今手元にあるグラディ・テイトのアルバムは1986年キング・レコードがオールアートの石塚氏のプロデュースに依るニューヨーク録音。グラディ・テイトのオリジナル一曲以外はスタンダード大会と言った趣のあるアルバム"DREAM LOVE".サイドメンはBILL EASLY ,MIKE RENZI,PETER WASHINGTON,LOUIS NASHのワンホーン・カルテット。曲目はUNFORGETTABLE,ROUTE66,I'VE GROWN ACCUSTOMED TO HER FACE,IN THE STIL OF THE NIGHT,YOU GO TO MY HEAD,BUT BEAUTIFUL,DREAM LOVE,I'LL GET BY,THEY CAN'T TAKE THAT AWAY FROM ME,AS TIME GOES BYの11曲である。味わい深いこのアルバムは折を見て聴き返すこととなるだろう。  
   
  JOHN ABERCROMBIE ( 1944/12/16 - 2017/8/22 )
   1975年ECMレーベルからリリースされた"GATEWAY"特にA面3曲デイブ・ホランドのオリジナルのプレイに大いに共感した。その共感はルー・タバキン・プロデュースのデスコメイト・レーベル1979年の"DIRECT FLIGHT"に依ってさらに強まった。バークリーで学んだジョージ・ムラーツ、ピーター・ドナルドのトリオ編成によるアーバンクロンビーの伝統にスポットを当てた好企画盤でベストの一枚だろう。この企画はさらに温められ1986年JUST IN TIMEレーベルで
ドン・トンプソンのベース(ピアノも一部あり)とのスタンダードによるデュオ・アルバムに発展SOMETIME AGO,WITCHCRAFT,FALL COLOURA,I'M GETTING SENTIMENTAL OVER YOU,PEACE,YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO,YOU DON'T KNOW WHAT LOVE ISの7曲。著名なスタンダードから新鮮な魅力を弾き出している。
【隠れた名演奏】

  THE BILLY TAYLOR TRIO / WARMING UP! ( RIVERSIDE 1960 )

  過って神保町のジャズ喫茶と言えばアットホームな「響」が有名だが、そこから少し離れたところにあった「コンボ」もアットホーム抜きの良い店だった。店主の伊藤さんに教えて頂いた2枚のアルバムがある。バルネ・ウイランの「BARNEY」と本作のビリー・テイラーのトリオアルバムであった。全12曲ビリー・テイラーのオリジナル集。メンバーは前衛に走る前のヘンリー・グライムスとレイ・モスカのドラムス。才人ビリー・テイラーが自身を取り巻く夾雑物を取り除き、虚心坦懐にピアノと向かい合ったことによって本作の快演が生まれたように思われる。尚同レーベルには前記メンバーによる”プレリュード”でのライブ・アルバムがあるが内容は何時もの様なピアノ・アルバムであった。SJ誌の増刊”ジャズ名門レーベルのすべて”で「際立った個性が感じられない」、「器用さが先立ってしまう」等々本作を評しているが、惑わされてはいけない。本作こそがビリー・テイラーの愛着の沸く代表作の一枚だと思う。

【JAZZ CLASSICS】

  MEZZIN' AROUND / WITH MEZZROW AND NEWTON RCA VICTOR LJM-1006
   スイング・ジャズ・ファン垂涎のアルバムが本作「メズィン・アラウンド」である。A面メズ・メズロウのセッションとB面フランキー・ニュートンのセッションを収録。伴にフランキー・ニュートンがリリカルでハート・ウォームなトランペットが最大の魅力になっている。54年のダウンビート誌はA面が★★★★でB面が★★★★★との評価であった。コレクターズ・アイティムになったその要因は、1950年リリースされた以降アメリカでも日本でも再発されず内容が素晴らしいだけに多くのファンを切歯扼腕させていた。1975年RCAビクターが17セット100枚のRCAジャズ栄光の遺産の15巻「スイング・コンボ名演集」でオリジナル通り復活された。このシリーズは油井正一、粟村政昭、大和明氏
の三人共同監修で、この「メズィン・アラウンド」の解説はテディ・ウイルソン及トラッド・ジャズの権威瀬上保男氏が担当何時もの様に読みごたえのある内容。フランキーニュートンはジョン・カービー・セクステットの初代メンバーの録音が前記栄光の遺産に収録されている。いずれにしてもユーグ・パナシェが監修した名演集である。

【JAZZ ジャケット・ギャラリー】
 
 ELLA FITZGERALD SINGS THE GEORGE AND IRA GERSHWIN SONG BOOK ( VERVE 1959 )
     ヴァーブ期におけるエラ・フィッツジェラルドのソング・ブック・シリーズは
粟村政昭氏の「ジャズ・レコード・ブック」で~明けても暮れても大編成の伴奏で作曲家シリーズばかり聞かされていたのではいい加減くたびれも来ようというものだ。と言う記述がある。確かに膨大な量である。1956年にヴァーヴ・レコードと契約し1960年代半ばまで録音。この時期の「グレート・アメリカン・ソングブック」の8歌集シリーズは、コール・ポーター(1956)、ロジャース&ハート(1956)、デューク・エリントン(1957)、アーヴィング・バーリン(1958)、ジョージとアイラ・ガーシュウィン(1959)、ハロルド・アーレン(1961)、ジェローム・カーン(1963)とジョニー・マーサー(1964)の作品。エラ43歳~54歳と言う歌手としての実力が心技体最も充実していた時の録音。中での本作のジョージ&アイラ・ガシューイン集はネルソン・リドルとのコラボレーション、5枚のアルバムに分散され印象的な絵画がジャケットを飾っている。国内盤が一部発売されたが全5枚53曲が収められているアーティスティックなジャケットを紹介したいと思う。


【あの頃のバンド・シンガー】

 KITTY KALLEN ( 1921/1/25 - 2016/1/7 )
   10代で芸能界に入ったキティ・カレンはポール・ホワイトマン~ジャック・ティ-・ガーデン~ジミー・ドーシー~ハリー・ジェームス楽団で多くのヒット作を放った。ドリス・デイのスタンスとよく似たポップス・シンガーであるが、多くのジャズメンと係わりジャズ・シンガーとしても魅力あふれたシンガーである。全盛期のアルバムが国内でも発表されたが、40年代と50年代の中期に二度の引退を余儀なくされ59年にカンバック、ヒット作もあるが64年の"QUIET NIGHT WITH KETTY KALLEN" ( 20thCENTURY FOX RECORD )がマニー・アルバムの好編曲とオーケストラによる軽めのボサノバ集が、独特の声と歌いまわしに魅かれる晩年のアルバムである。
             
 海外・国内レコード・オーディオ情報

 最近のレコードのプレスがジャスにとどまらすクラシック、ロック、ポップス、ラテンと音楽ジャンルのほとんどで新譜やリメイクが発売されています。アメリカ、ヨーロッパを中心に展開しています。
 下記アルバムは7月~10月にかけて発売元からJAZZCAT-RECORDに案内がきたものでジャズだけをピックアップしたものです。
 
 
【制作元】WAX TIME(スペイン)

 
  Art Blakey's Jazz Messengers:Play Lerner & Loewe  33rpm 180g LP
  Count Basie:Basie Rides Again 33rpm 180g LP
  Ella Fitzgerald:Sings The Irving Berlin Song Book  33rpm 180g 2LP
 Oscar Perterson:Plays The Harold Arlen Song Book  33rpm 180g LP
 
  【制作元】VINYL PASSION(オランダ)




 Billie Holiday:Sings/Evening With  33rpm 180g LP
  Dinah Washington:At Newport '58  33rpm 180g LP
  Cannonball Adderley:Somethin'Else  33rpm 180g LP
  Stanley Turrentine:Look Out!  33rpm 180g LP
  Johnny Griffin:A Blowing Session  33rpm 180g LP
  Grant Green:Grant's First Stand  33rpm 180g LP
  Art Blakey:Hard Drive  33rpm 180g LP
  Ella Fitzgerald/Nelson Riddle:Swings Brightly With Nelson  33rpm 180g 2LP

【制作元】MUSIC ON VINYL(オランダ)


  Miles Davis:Jack Johnson  33rpm 180g LP Stereo
  Shelly Manne:Daktari  33rpm 180g LP Stereo
  The Oscar Peterson Trio:The Trio  33rpm 180g LP Stereo

【制作元】 Pure Pleasure(イギリス)


  Modern Jazz Quartet:Pyramid  33rpm 180g LP Stereo
  Duke Ellington & His Orchestra:Masterpieces  33rpm 180g LP Mono
  Thelonious Monk:Cris-Cross  33rpm 180g LP Stereo
   The Charles Lloyd Quartet:Dream Weaver  33rpm 180g LP Mono
  Steve Reich: Drumming  33rpm 180g LP Stereo

【制作元】ORG / Bernie Grundman Mastering


  Dexter Gordon:Take the 'A'Train  33rpm 180g LP Stereo
  Antonio Carlos Jobim:Stone Flower  33rpm 180g LP Stereo

【制作元】IMPEX Records


  Tsuyoshi Yamamoto Trio:Midnight Sugar  45rpm 180g 2LP Stereo
  Isao Suzuki Trio:Blow Up  45rpm 180g 2LP Stereo            
   Tsuyoshi Yamamoto Trio:Misty  45rpm 180g 2LP Stereo
  Ayako Hosokwa:A Whisper Love  33rpm 180g LP Stereo

【制作元】Analogue Productions / Coherent Audio(ケヴィン・グレイ)


  Eric Dolphy:Outward Bound  33rpm 200g LP Stereo
  Eric Dolphy:Far Cry  33rpm 200g LP Stereo
  Arnett Cobb:Ballads By Cobb  33rpm 200g LP Stereo
  Booker Ervin:Exultation!  33rpm 200g LP Stereo

【制作元】Speakers Corner(ドイツ)


  Herbie Hancock:Crossings  33rpm 180g LP Stereo
  Sonny Stitt:Stitt Plays Bird  33rpm 180g LP Stereo




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